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夢判断 上 新潮文庫 フ 7-1
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| 価格 | 商品名 |
| ¥ 740 | 夢判断 上 新潮文庫 フ 7-1 |
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ある意味科学への分岐点であるフロイト |
個人的に関心を引く箇所は多々あったものの、ところどころが難解。上巻では主に「夢とは何ぞや」をテーマに展開していると思う。たしか前意識は出てこなかったと思うが、夢は願望充足なんだよ、てことが最大のメッセージだったであろう。いずれにせよ、リビドーのつっこんだことや、無意識に関するその他の理論も下巻で詳しくやるのではないだろうか。だから、一般的に我々が知るフロイト理論の多くは下巻で登場してくるのだと思う。ところで、フロイトがコカインを利用していたエピソードがやはり興味深かった。
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知は力である!? |
夢は一種の精神病です。精神病者は不合理な夢の世界を現実に生きているのです。それならば、夢を合理的に解釈できれば、精神病は私たちに理解可能なものになる筈です。そして、不可解な夢を合理的な言葉で説明できるように、ある症状に苦しんでいる患者がその症状を生み出しているコンプレクスを言葉にできたとき、病から癒えることができる、とフロイトは言います。明晰な認識こそが人を正常にする、知は力なり(スピノザ)、という訳です。ーーでも、私たちに知られる無意識自体が、意識にのぼった時点で既に変形・歪曲されたものですから、私たちは決して無意識の<全貌>を知ることができません。夢の分析に終わりはない、ともフロイトは考えていました。
フロイトは徹底したリアリストです。同じ課題を繰り返し提出し、分析し、説明し、推敲し、修正し、定義し直します。マルクスにも矛盾をそのまま提出しながら現実に近づこうとする傾向は見られますが、マルクスは人間のあるべき方向を示そうという努力もしています。一方フロイトは、ただ現実世界で生きる人間の赤裸々な深層心理をえぐり出すだけで、甘い理想は決して口にしようとしません。−−人間を理解するために動物に対する以上の手段は必要ではない! どうして他生物の存在意義を問わないのに、人間の存在価値だけを問題にするのか? 人間は意識(自我=私)によって生きているのではなく、無意識(エス=それ)によって生かされているのですから、人生の意味を問うことなど本来不要なのです。人間は他の生命体と同様、もともと無目的に存在しています。
フロイトの方法によって、人類がなぜ殺し合うのかを明らかにできるかもしれませんが、だからといって、その分析が、人類の戦争放棄の可能性を示すことを意味しません。ーー私にとって、フロイトほど恐るべきニヒリストはいません。
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無意識の発見-20世紀最大の発見の一つ |
高1のとき、若々しくて、美しい教育実習生が保健の授業を行った。そのとき教わった内容は、フロイト派の発達心理学であった。彼女は、少し戸惑いながらも、真剣に言葉を黒板に書き込んでいった。「本気ですか?」と思いたくなるような言葉ばかりだった。
同様に、「夢判断」も、高1の無知な学生には、信じがたいような内容だった。一応、論理は理解でき、その夢のシンボルの解釈を考え出すことなど、簡単に出来るようになった。しかし、内容が理解できるということと、それを信じることは、全く別の問題だった。ほとんど最後までフロイトの論理を嘘だと思っていた。こんな馬鹿な話は、ありうる訳がないと、思っていたのだ。
しかし、この著作の中心命題が、そのような性的な問題を説明することではなく、無意識の発見であることに、やがて気付かされることになる。無意識の中に抑圧された欲望を自覚し、自分自身のものとして把握すれば、神経症が治療されるという、無意識の意識化こそ、重要なのだということを、この著作は示している。
その知識は、その後、次第に、重要な思考方法となってくるだろう。無意識の発見は、20世紀最大の発見の一つと言われているからである。
翻訳がやや古くて、硬いかもしれないが、一読をお勧めしたい。


